夢の扉+で紹介
●見えない乳ガンを写すスーパーレントゲン
日本人女性が最もかかりやすいガン
早期発見が何より大切だが、レントゲンでは発見が難しいケースも
東北大学 多元物質科学研究所:百生敦 教授
物理工学を武器にレントゲンの常識を超えた
開発したのはスーパーレントゲン
乳ガンや関節リュウマチなど、様々な病の早期発見に希望を与えた
普通のレントゲンでは若い女性の乳腺は白く写ってしまう
レントゲン写真からガンを見つけだすのが、難しい
対し、スーパーレントゲンはガンだけをくっきり写し出す
その解像度はMRIの100倍も鮮明
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●1/10000度の屈折
レントゲン撮影に利用されているのはエックス線
エックス線は骨のように硬い物は通らないので影絵のように写る
一方、柔らかい物はエックス線が通り抜け、写りにくい
しかし、この時エックス線はほんのわずかに屈折している
それを検出できれば柔らかな物でも画像化できると百生は考えた
実はエックス線が屈折する事は知られていた
ただその角度は1/10000度
3年後、写らないはずの柔らかい物が写るようになった
1996年、その成果は医学会で権威ある雑誌で掲載され、世界を驚かせた
●モアレ
規則的な模様を重ねてズラす事で現れるモアレ
モアレは目に見えないわずかな変化を強調する不思議な現象
独自に開発した金色の板でモアレを作る
電子顕微鏡で見るとおよそ5ミクロンの幅でスリット状になっている
スリットを通ったエックス線は細い縞模様になり、それを柔らかい物に当てると
エックス線がわずかに屈折し縞模様に歪みが生じる
それを基の縞模様と合わせるとモアレが現れる
このモアレをコンピューターで解析するとこれまで写せなかったものを見ることが出来る
実用化へと大きく近づいた百生の研究に大手メーカーも惚れ込んだ
メーカーと共同で開発した実験機は早くも成果をあげた
見分ける事が難しい乳ガンをはっきりと捉えた
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