カンブリア宮殿で紹介
●世界中から応募が殺到するインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢、通称:ISAK
貧困や差別など祖国の問題に取り組みたいと志す子供たちが世界中から集まっている
この高校は世の中を変えるリーダーの育成を目標に掲げている
インターナショナルスクールとしては日本初の全寮制
7500坪に体育館、校舎、3棟の寮
貧しい子供たちも格差を越えて学べるように返済義務のない奨学金制度も充実している
●ISAK代表理事:小林りん
「どんな立場でも分野でも変革できるリーダー、新しい価値観を生み出す人を輩出したい」
2児の母の小林は、教育経験ゼロ、資金もゼロからの学校作りだった
小林は東大経済学部を卒業後、外資系の大手証券会社に勤務
30歳の時にユニセフの職員となり、赴任した先がフィリピン
急速な経済発展を遂げるフィリピンだが、一方で問題となっているのは格差
学校に行けない子供たちの支援を小林はユニセフで行っていた
NPO法人と青空教室を開き、子供たちに最低限の教育を与えた
小林が一番の問題と感じたのは、
社会を動かしている富裕層の多くが、格差に無関心なことだった
このままでは格差社会は変わらない
「変革を起こすリーダーを育てる学校を作ろう」と小林は考えた
2008年、小林はユニセフを辞め、学校作りに動き出した
当初はスポンサーも付いていて20億円と言う資金が寄付されるはずだった
しかしリーマンショックによりスポンサーは降り、資金がゼロからのスタートとなった
小林は、人脈を頼りに経営者にプレゼンし、寄付金集めに奔走
頭を下げた人数は2500人を数えたが、結果が出ない
小林が寄付金集めに走り回っていたのは、長男が生まれて間もない頃
夫は乳飲み子を抱えながらギリギリの状態で仕事をしていたという
成果が上がらないまま2年、小林は2010年に初のサマースクールを実施
期間は2週間だけだったが、初めてISAKの目指す教育を見える形で示し、
生徒にも招いた教師にも感動を残した
メディアも報道し、これを機に寄付金が集まり出した
ゴールドマン・サックス証券は、何の実績もないISAKに億単位で支援
70の法人、個人から総額14億円という資金を集めた
軽井沢の7500坪の広大な敷地も、小林の理念に賛同したスポンサーが格安で貸してくれたもの
太陽光パネルを設置し売電により毎年1人分の奨学金がまかなえる
寄付には見返りはない、この学校の価値を認め、純粋に応援するだけの寄付
さらに小林の理念に賛同した経済界の人々が無償で学校運営のアドバイスをしてくれている
2014年8月24日、ついに小林は開校にこぎつけた
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●選考の基準
英語力ではない、もちろん大事なツールだが、3年間頑張れば追いついていくもの
それよりもリーダシップのポテンシャルや好奇心、多様性を受け入れる感受性を見て選考している
●費用と奨学金
全ての生徒が その経済状況に関わらず、優れた教育を受ける権利がある、
と奨学金の募集要項で謳っている
授業料+寮費:350万円、施設費:30万円、入学金:40万円=初年度440万円
生徒の56%が貸付ではなく給付型奨学金を受給している
貸付型奨学金は、所詮 貸主が儲かる教育ローン
●高校を選んだ理由
ただ単に小さい頃から色々な人と一緒にいて話せばいいという訳ではない
15、6歳まで母国語で本を読み、文化に触れて、
ある程度アイデンティティーが固まってからであれば
本当の意味のぶつかり合う中でこそ多様性が学べると思う
現実に近い多様性を実現するコミュニティーは大学に入る前の高校だった
●社会を変える人材を育てる授業
・数学の授業では常に生徒への問いかけ
「数学とは何だと思いますか?」「じゃあ数学ななぜ重要なの?」
教え込むのではなく考えさせる授業
・社会の授業、難民問題をみんなで調べたうえで、どうすれば解決できるのか?意見をぶつけ合う
育てきた環境が違う仲間との話し合いは、お互いの多様性を認め合うトレーニングの場
・例えば、染色体の授業、染色体の概要を聞いた後に
遺伝する病気を持ったカップルが結婚して妊娠した時に染色体の検査をすべきかどうかをリベートする
ただ賛否を取るわけではなく、クリスチャンだったらどう考えるか?
仏教徒だったらどう考えるか?医者だったらどう考えるか?を議論する
同じ科学的な事実を学んだにも関わらず、
その人の立場によってどれだけ違って見えるかが分かってくる
「どの授業も、なぜ勉強しているのか?が分かるように身近な社会の事象に紐づけていく」
講師の力量がすごく問われる
●講師陣
講師陣も小林の理念に賛同して集まった
海外の名門インターナショナルで活躍していた精鋭ぞろい
待遇の良かった職を捨て、家族と共に軽井沢の寮に住み、教鞭をとっている
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