謝りたい人がいます。で紹介
●坂上忍が31年前に絶縁した父親
3歳の時、人見知りな性格を心配した母の勧めで家の近所にあった劇団若草に入団
9歳の頃には橋田壽賀子脚本の大ヒットドラマ「たんぽぽ」に出演し国民的人気に
しかし元々俳優になりたかったわけでない忍にとって、
その人気は逆に生活を窮屈にするものでしかなかった
そんな忍の良き理解者であり憧れの存在だったのが父:勝也だった
「国語の代わりに小説を読め。数学の代わりに麻雀をやれ」と父の教育は変わっていた
父の職業は新聞記者
無言でペンを走らせるその姿は子供心に何ともカッコよく見えた
常に世間から天才子役と注目を浴びていた忍にとって父と過ごす時間だけが普通の子供に戻してくれた
そんな父との思い出の中で忍が何よりも好きだったのが、寿司屋に行くこと
スポンサーリンク
誰よりも尊敬し慕ってた父…ところが、それは忍が14歳の時のこと
忍が尊敬していたはずの父:勝也が家族に当たり散らすようになった
きっかけは事業の失敗
勤めていた新聞社から独立し出版社を設立したが、経営は立ち行かずほどなく倒産してしまった
さらにその頃から付き合いで覚えた麻雀にハマり、ますます借金がかさむように
その額、1億円
以来、人が変わったように荒れ狂う父をどうする事も出来ず、両親はほどなくして離婚
しかし母親が父親の保証人になっていたため、借金1億円が天才子役の肩に重くのしかかった
かつて抱いた父への憧れは完全に消え失せ、残ったのは1億円の借金と大きな憎しみだけ
それでもしゃにむに働いた忍は26歳の時、1億円を完済
そんなある日思わぬ出来事が…草野球の帰り道、ふらりと立ち寄った焼き鳥屋
何とそこに父:勝也の姿が…動揺のあまりその場を立ち去った忍
偶然の出会いから数か月後、「お父さんが会いたいって言ってきてるの、今回も断る?」
「いや会うよ」
あの日以来、忍は(もう一度会って話がしたい)と強く思うようになっていた
条件は父が寿司をご馳走する事
昔のようにカッコよく寿司をご馳走してほしい、それはあの頃の関係に戻りたいと願う不器用なメッセージだった
そして実現した父と息子の13年ぶりの対面
久しぶりに過ごす父との時間
もしかしたら昔のような関係に戻れるかも…そんな淡い期待を抱いていた忍
しかし最後で思わぬ場面を目の当たりにする
会計をする母の姿…父の支払いだと思っていた忍は完全に切れた
その日以来、忍は一度も父に会っていない
父が他界したのは去年
実は父:克也は焼き鳥のバイトをしながらも執筆を続け小説を出版
「歳月のかたみ」著:坂上精一郎
父が夢を追いかけ続けていた事を知り忍はその出版記念会に駆けつけていた
忍が消し去っていた消し去ろうとしていた記憶、父との繋がり
さらにその打ち上げの席で酒を酌み交わしていた
番組でその写真を見た忍は、感情を押さえられず涙し、墓を参った
スポンサーリンク
コメント