超潜入!リアルスコープで紹介
●山手線の全て
停車駅29駅、1周34.5㎞、利用者数:1日323.8万人
・東京総合車両センター(品川区大井町付近)は山手線専用の2階建て車庫
地上と地下にはおびただしい山手線が停車している
●山の手線1編成の1日の乗客数は約6万人
編成番号550番はAM5:58、大崎駅を出発予定
45分前に運転手が出区点検を開始
まずパンタグラフを上げる
前面、台車まわり、ストロークなど1編成220mの山手線を1周しながら傷や破損がないかチェック
左右のドアを全て開け、今度は車内設備に異常がないか1往復してチェック
1車両ずつ、車内の照明が全てついているか?中吊り広告があるのでしゃがんで確認
両側のドアがきちんと開いているか?左右を指差し確認
出発25分前、運転台で動作確認
AM5:45、車両基地から大崎駅へ
AM5:58、大崎駅内回りを出発
世界最大の利用者数(1日73万人)を誇る新宿
AM6:59、山手線を1周し、大崎駅で運転士と車掌が交代
基本的に運転士は1周したら交代、休憩をはさみながら1日5周ほどの運転を行う勤務体系
PM10:46、大崎駅に到着した編成番号550番は回送となり車両基地に戻る
走行時間:16時間46分/走行距離:16周(552㎞)/停車駅:464駅/乗った乗務員:32人/1編成の1日の乗客数:約6万人
その距離は東京~大阪の距離とほぼ同じ
山手線は多いもので1日17周、少ないもので2周、平均すると約13周する
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●山手線で一番混む区間は上野→御徒町で混雑率は200%
山手線1両の定員は座席の数+吊革の数=162人
混雑率200%の山手線には1編成で3488人が乗っている計算となる
●山手線の高低差
品川の海抜は3m、新宿駅は37m、高低差は10階建てビルに相当する
目黒駅~五反田駅は最も高低差があり1.2㎞の距離を20mも下る
●山手線はピーク時に外回り外回り合わせて49本走っている
●東京総合車両センター
ドアまわりの点検、車輪削りなど山手線の隅から隅まで点検整備が行われている
・清掃
車両基地に戻ったタイミングで毎日必ず一度は清掃が行われている
1編成につき5人が1チーム
まず1人が落とし物をチェックしながら網棚、椅子のゴミやホコリを落としていく
床に落ちたゴミは別の清掃員が自在ぼうきで拾いゴミ箱に入れる
そして左右の窓の清掃
電車の窓で汚れるのは乗客の頭が当たる下半分
洗剤を下半分のみに付け、スクイジーで拭き取り、タオルで拭き取る
洗剤の節約、作業の効率化を計っている
車内清掃最後の仕上げが椅子の隙間
およそ40分の時間をかけて毎日清掃が行われている
ちなみに山手線は月に一度車内を丸洗いする全般掃が行われる
ポリシャーで床掃除、マイクロクロスで吊革、連結部分などあらゆる場所が徹底的に磨かれ日々清潔に保たれている
●山手線の歴史
山手線という名称が誕生したのは1909年(明治42年)
この頃の山手線は現在のような環状運転ではなく上野から新橋までを走るCの字型だった
その後、現在の中央線のルーツとなる新宿⇔東京間がつながると、山手線はその路線と直通し、のの字型の運転に
1925年(大正14年)、神田⇔上野間がつながると環状運転となる
当時は1周、1時間12分
1926年(大正15年)には鋼鉄製の電車が登場
終戦後、山手線の輸送力は復興の原動力となり需要も拡大
高度成長期を迎えるころには電車の技術も格段に進化
1961年には現在の電車や新幹線に通じる101系電車が登場
それまでのこげ茶色から明るいカナリヤイエローに変わった
1963年には黄緑色した103系電車が登場
客が電車を乗り間違えないよう路線ごとにテーマカラーを設定した時、山手線はたまたま黄緑色に決定
1985年にはステンレス製の205系電車が登場
ステンレスになる事で塗装コスト削減、軽量化を実現
1987年には国鉄が民営化、国電に代わってE電という愛称が誕生
混雑緩和のために205系に増設されたのがラッシュ時にイスが折り畳める構造の車両
2005年まで活躍した205系電車
現在、山手線を走っているのはE231系電車
車体の幅を広げたことにより定員数を増やす事を実現
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●山手線は「やまて線」?「やまのて線」?
戦後GHQの指示で山手線をローマ字表記した
当時国鉄では略して「やまて」と呼んでいたため、便宜上「YAMATE」に
1971年、国鉄は全路線の線路名称にふりがなをつける事を決定
正式名称「YAMANOTE」に表記が変わった
ヨドバシカメラのCM曲「♪丸い緑の山手線…」は最初「♪丸い緑のやまて線…」だった
●発車メロディ
以前の山手線ではベル音だったが、1989年、心地よさ聞きやすさを考慮し発車メロディが導入された
恵比寿駅は恵比寿ビールのCM曲「♪第三の男」
高田馬場駅は「♪鉄腕アトム」
新橋駅は「♪Gota del Vient」
渋谷駅は内回りと外回りで発車メロディが違う
内回りは「♪花のほころび」、外回りは「♪小川のせせらぎ」
これまで発車メロディを200も作曲しているのが塩塚博氏
五反田駅の「♪JR-SH-2-1」や東京駅の「♪JR-SH-3-3」などを作曲
「7秒~10秒の音楽に一つの起承転結、聞いている人に気持ちの良い安らぎや安心感、だけど事故が起こらないように駆け込み乗車をしないように緊張感を与える、皆さんが気持ちよく乗降してもらえる事を考慮し作曲している」
●東京・大宮総訓練センター(さいたま市)
ここで訓練するのは既に山手線や埼京線で活躍する運転士や車掌
・異常時対応訓練:電車の故障や突発的な事故など異常時への対応を鍛え上げる
「山手線などの在来線シミュレーター」
その性能は群を抜き値段は〇億円
本物の山手線と同じ運転台が備えられ、細部まで完全再現されている
全面モニターと連動し、実際の車両の揺れやモーター音、ブレーキ音まで完全再現されている
また後方には車掌室も完全再現
・異音感知訓練:走行中突然、異常な尾とが発生した場合の対応訓練
・ホームからの落下物対応訓練
●大崎運輸区
山手線の運転士・車掌が約320人が在籍
出勤した山手線の運転士は点呼を取り、懐中時計をピッタリ合わせて仕事に向かう
朝早い乗務の際は乗務員休憩室で仮眠をとる
乗務員休憩室には起床時になると
ベッドが膨らむ特別な目覚まし機能「定刻起床装置やすらぎ100」が設置
1、袋の部分が背中の位置になるようベッドの上に置く
2、起きたい時間をセット
3、設定時間になると袋に空気が送られ、膨張 収縮を繰り返す
値段は96000円
●未来の山手線
・JR東日本研究開発センター
スマートステーション:本物そっくりに再現されたホームと電車がある
駅のホームだけではなくコンコースも完全再現
駅でより快適に過ごすためのテストが行われている
・行きたい方向を示してくれる「道案内ロボCOCHIRA」
・液晶案内板が設置されたホームドア
次の電車の位置や遅れの情報がリアルタイムで表示
遅延証明書が携帯電話で取り出せる機能も
・山手線で使えるアプリを開発中
山手線の車内で起動するとその時の走行状況に合わせた情報をリアルタイムで表示される
さらに社内の混雑状況や温度もリアルタイムで
降りる駅で利用できるクーポンまで電車の中で取り出せる
・タッチレス改札
Suicaをポケットに入れたまま通り抜けられるタッチレス改札
専用のケースに取り付けたSuicaをポケットやカバンに入れておくだけ
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