未来世紀ジパングで紹介
これまで最強と言われてきたのが
1990年にスペースシャトルで打ち上げたハッブル宇宙望遠鏡
地球上では見ることが出来なかった星の姿を次々と明らかにした
しかし光しか捉える事の出来ない望遠鏡では限界があった
光以外の情報も捉えるのが電波望遠鏡
南米チリのアカンカグアの標高5000m地点に設置されたアルマ望遠鏡
観測基地でも標高2900mにある
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アンデス山中に広がるアタカマ砂漠
東からの湿った空気は山脈に遮られ、大量の雨をアマゾンの流域に降らせる
その為、アンデスの高地には乾燥した空気が流れ込む
こうして出来上がったのが荒涼とした大地
標高が高く雨がほとんど降らないという条件こそが天体観測に適している
アルマ望遠鏡は最終完成時には66台の望遠鏡で構成される
うち16台が日本の望遠鏡
それらを18キロの敷地に並べ、一つの巨大レンズのように運用
あのハッブル望遠鏡の10倍の能力を持ち、
東京から大阪にある1円玉を見分けられる、視力は6000
その目的は…
・銀座の誕生を探る
・惑星の誕生を探る
・生命の起源を探る
●アルマの生みの親:石黒正人(国立天文台名誉教授)
石黒氏がアルマの構想を抱いたのは、今から30年前、
世界最高峰の野辺山天文台の建設に携わっている頃だった
石黒氏のチームは更なる高みを目指し、高性能の望遠鏡計画を立ち上げる
望遠鏡建設に適した平らで乾燥した高地を求めて世界中を探し回った
おちょこをアンテナに見立てて計画を説明、世界各国に参加を呼び掛けた
しかし、そこに大きな壁が立ちはだかった
アルマの桁違いの性能を実現するための部品が世界中のどこにもなかった
●世界に誇る技術
はるか何億光年も先にある天体を正確に捉え続けなければならないパラボナアンテナ
極めて高い精度の動きが必要とされた
目指した精度は分度器の1度の1/36000の角度
三菱電機は7年の歳月をかけてそれを可能にする技術を開発した
それがリニアモーター駆動
磁力で動くリニアには歯車で動く噛み合わせがないため
パラボナアンテナを滑らかに動かす事が可能になった
●開発するのは無理と言われたバンド10受信機を日本が開発
アロマがその性能を発揮するために欠かせないバンド10受信機
サブミリ波=バンド10(787GHz~950GHz)
バンド10(787GHz~950GHz)はアロマが本格的に観測するために必要なもの
国立天文台の中にある先端技術センターで開発し世界を驚かせた
この受信機をアンテナに組み込むことで、初めてアルマは視力が6000になる
受信機の心臓部に必要な部品は人類初の試みだった
製造方法を少しずつ変えては、また作り直す
300回以上の試作と5年の歳月を費やして超伝導集積回路が完成した
●見えない暗黒の宇宙が観測できる
宇宙のあらゆる物質は電波を出している
光ではなく電波を集め画像化する
暗くて見えない宇宙空間に漂うガスも電波望遠鏡なら見せてくれる
ガスは星の材料…新しい星が生まれる場所が推測できる
●生命の起源に迫る大発見
生まれたての星の周りで大きな発見があった
地球から400光年離れた ひびつかい座「IRAS 16293-2422」
見つけたのは糖類の分子(グリコールアルデヒド)
それは生命の材料となる物質
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