夢の扉+で紹介
●木材を自由に加工する流動成形
生活を支える工業製品の材料は加工のしやすさから金属やプラスチックが担っている
しかし、それらの資源にもいつか限界が来る
そんな問題を解決するのが木を金属やプラスチックのように自由に成形する技術
将来この技術が実用化されれば木材で車のボディを作ることができたり、ありとあらゆる工業製品が木へと変わる可能性を秘めている
・産業技術総合研究所の金山公三
金山曰く「資源は地中深くにあるだけではない。資源は人間の頭の中にある」
まず金山が最初に試みたのは木材を粉末にして固める事だった
ところが粉末をプレスしただけでは工業製品に求められる強度にはほど遠い
金山は条件を変え実験を繰り返した
するとある日、いつもと違う結果が…
成形したものの表面がスベスベになってきた
調べてみると今までにはない堅い塊ができていた
あらゆる観点から分析していった金山
そしてついに木材のメカニズムを突き止めた
ポイントは木の細胞の間にあるリグニンという成分
ある薬剤を染み込ませ熱を加えてプレスするとこのリグニンが柔らかくなる
すると一つ一つの細胞が分離し、滑り動く
さらに熱を加えると木はその形のまま固める事が出来る
金山は偶然発見したこの現象を見事技術として確立した
この技術を使えば、たくさんの木片からも美しいおちょこが完成
もちろん種類の違う木も一つに成形できる
大量生産ができるため金属やプラスチックに代わる原料として期待されている
さらに持続的に木材を活用できるため、林業の活性化にもつながる
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