カンブリア宮殿で紹介
●紙で家を建て世界を救う建築家
世界の被災地を飛び回り支援する建築家:坂滋
代表作は総工費60億円をかけたポンピドゥー・センター・メス(フランス国立美術館 分館)
彼の信念は“人の役に立つ建築家でありたい”
1995年1月17日の阪神・淡路大震災
その惨状を知った坂は、何かできる事はないかとすぐさま駆け付けた
そして焼け落ちた教会を見つけ、そこにいた神父に言った
「紙管を使って教会を再建させましょう」
しかし「アホか」と信用されずに相手にもされなかった
それでも坂は諦めない
東京から毎週神戸に通い、神父を説得する一方で
公園などに野宿していた人のために紙管の仮設住宅を作った
これを神父も認め、紙の教会作りがスタート
費用の1000万円を稼ぐ為、坂は進んで講演会なども行った
そして8か月後、ペーパードームたかとりが完成
以来、被災地支援は坂のライフワークに
2011年の東日本大震災では紙管で作った間仕切りを避難所に持った
紙管を組み合わせて枠を作り、そこにカーテンをかけるだけ
器具もいらず材料費も格安
プライバシーのない生活に大きなストレスを感じていた人たちが間仕切りを大歓迎
最終的に50以上の避難所で使われた
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●きっかけは19994年のルワンダ大虐殺
200万もの人が祖国を追われ、周辺諸国に溢れる事態となった
建築家の自分に出来ることはないか?
アポなしで国連機関に乗り込み訴えた
「紙管のテントを作りましょう!」
当時国連はテント用にシートだけを支給していた
難民たちはテントの骨組みを作るため周りの木々を大量に伐採し、自然破壊もおきていた
紙管ならアフリカでも手に入り問題も解決する
坂によって多くの難民が雨露をしのぐテントを手に入れた
その後、坂は世界で災害が起きる度に呼ばれなくても自ら駆け付け、建築による支援を行うようになった
2004年のスマトラ沖地震ではスリランカに仮設住宅を建設
2008年の四川大地震では紙管で小学校を建設
2010年のハイチ大地震では紙管シェルターを設置
これまで10の国と地域を駆け回ってきた
●紙管の強度とは?
紙管とは簡単に言えばサランラップの芯
太さや長さは自由自在に調節可能
新聞・雑誌などの古紙が原料
工業用の強力な接着剤をたっぷりとつけ、らせん状に巻いていく
厚ければ厚いほど強度は増す
この紙管を坂は色んな建築に採用してきた
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