伝説の引退で紹介
●千代の富士は本当に貴花田に負けて引退したのか?
「体力の限界…気力もなくなり引退することになりました」
千代の富士の引退には当時からひとつの定説があった
1991年、夏場所 初日
入幕わずか1年で急成長を見せていた貴花田との一戦
世代交代、新時代到来、昭和の大横綱の敗戦は衝撃だった
この一戦を最後に千代の富士は引退したと思っている人も多い
しかし、この一番後、2日間も相撲をとっている
貴花田に負けてから引退を決意するまでの48時間
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●千代の富士に引退を決意させた本当の一番
「初日の相撲が終わって負けたって事だけだった」
しかし、千代の富士の思いとは逆に翌日の新聞には刺激的な言葉が躍っていた
“引退説否定も新時代の幕開け”
さらに自宅への取材
自分ではただの1敗とかし思っていなかった
徐々にその重みを感じずにはいられなかった
そして二日目…前頭4枚目:板井との一番
危なげない勝利に見えた、しかし千代の富士の表情はどこか冴えない
理由は立会いにあった
はるか格下の相手に千代の富士は押されていた
たったそれだけ…
最強の横綱として君臨してきた男にとってそれは重要なことだった
初めて衰えを感じた瞬間だった
そして改めて貴花田に負けたことが圧し掛かった
あの敗戦も自分が衰えたから負けたのではないか?
その夜、千代の富士は妻に告げた
「久美子…明日負けたら相撲辞めるかもしれない」
これまでどんなにマスコミが騒いでも決して口にしなかった「引退」
その言葉の意味を久美子さんは重く受けとめた
そして翌朝、久美子さんは一通の手紙を千代の富士に渡した
“言葉にすると泣いてしまいそうなので手紙で伝えます。パパのおかげでこれまで幸せに暮らして来れました。本当にありがとう。久美子”
「負けたら引退する」
その覚悟で千代の富士は三日目の土俵に上がった
相手は新鋭の小結:貴闘力
そして千代の富士は負け、取組から2時間後、引退を発表した
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