夢の扉+で紹介
●航空機・自動車に革命!夢の新合金
熊本大学大学院教授:河村能人が開発したのは常識を打ち破る夢の金属
それは驚くほど軽く、強く、そして燃えない
70年以上に渡って新素材が現れなかった航空機やロケット開発に衝撃を与える未来の金属
河村氏の夢は熊本発のその金属で世界を変えること
日夜研究を重ねている金属、それがマグネシウム
マグネシウムは工業用に使われる実用金属で一番軽い
鉄の1/4、アルミの2/3の比重
さらに実用金属の中で埋蔵量が4番目に多い
しかしマグネシウムは鉄に比べて強度が1/4、発火しやすいのも難点
550~600℃で溶け出し発火
一度発火した後に水をかけると水素爆発が起こる為、水では消化できない
そのため、軽いと云うメリットがありながらも用途は限られ、パソコンや携帯電話などの一部分にしか使わることはなかった
そうした弱点を解消したのが河村氏の強くても燃えないマグネシウム
その名は「KUMADAI不燃マグネシウム合金」
その金属は国内外から熱い注目を浴びている
アメリカの大手自動車もその新素材の可能性を高く評価していた
KUMADAI不燃マグネシウム合金を車のボディやエンジンに活用すれば車体は軽くなり燃費は飛躍的に上がる
その恩恵を受けるのは自動車に限らない
飛行機やロケット、エネルギー産業にも及ぶ
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マグネシウムは非常に扱いにくい金属
開発は試行錯誤の連続だった
1999年、河村氏はこれまでの研究が評価され新しいマグネシウム合金の開発する国家プロジェクトに呼ばれた
さっそく過去の論文を読み返してみたものの、マグネシウムに関する研究は大方やり尽くされていた
それでもわずかな可能性を信じひとつ、またひとつと合金の試作を始めた
来る日も来る日も繰り返される先の見えない作業
ほんのわずかな比率の違いで全く別の素材になってしまう合金
1%単位の微調整を行いながら試作品を作る
不眠不休で取り組んでも1週間で4つが限界
作業は2年半にわたり、試作品は450種類に及んだ
そしてついに一つの化学式にたどり着く
Mg(マグネシウム)97:Zn(亜鉛)1:Y(イットリウム)2で夢の合金が産声を上げた
その強度はそれまでのマグネシウム合金のおよそ2倍
燃えるマグネシウム、これまで世界がその改良に挑んだが780℃が限界だった
河村氏は研究を重ね、その最大の弱点を克服
沸点である1100℃を超えても発火しないマグネシウム合金を生み出した
そしてマグネシウム合金としては日本で初めて専門機関から不燃性の判定を受けた
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それにしても日立金属の高性能冷間工具鋼SLD-MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。先々月の、日刊工業新聞社の「プレス技術」で読みましたが、微量の油を塗ったセミドライ状態で、摩擦させると先端技術のDLCのような自己潤滑性(摩擦係数が下がる)が出るなんて。耐摩耗性もたかいのでコーティング費用分コストパフォーマンスがよく、巨大な軸受などに対しても耐荷重能も相当応力で2500MPaと高強度でベアリング・金型などのいろんな機械の転動・摩擦・摺動部品などの機械要素に使えそうだ。まさにノーベル賞級の発明だ。
投稿情報: カーボンオフセット | 2013/03/10 20:42