夢の扉+で紹介
耐震構造設計の第一人者:今川憲英
今川は老朽化した建物の寿命を延ばす建築ドクター
高度成長期に造られた建物の多くが寿命をむかえようとしている
今川は早く強く固まるまったく新しいコンクリートを開発しようとしていた
1000年寿命のコンクリートで日本の建物を救う
今川によって救われた横浜赤レンガ倉庫
今から20年前、この歴史的建造物に解体の危機が迫っていた
その時、今川に託されたのは100年の歴史を持つ外観はそのままに建物の強度を上げ、延命させること
レンガは目地が一番劣化する
外壁の趣きを保つために建物の内側から目地の隙間やレンガの亀裂に硬化剤を注入
壁全体の体力を飛躍的に向上させた
さらに強度を上げるために内側にもう一枚レンガの壁を建てて補強
こうして赤レンガ倉庫を50年延命させることに成功した
東京にある光明院幼稚園は築35年を数え建物全体の強度に不安があった
入り口付近に鉄のフレームで出来た耐震壁を設置しただけ
そしてあの大震災をむかえ、耐えきった
今川オリジナルの耐震壁
現在、急速に設置数が増加
今川は建物の再生だけでなく地震に強い長寿命の建物を数多く手掛けている
岩手県大船渡に建てられた大船渡市民文化会館も東日本大震災の揺れにビクともしなかったと云う
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ある日何気なく見ていたニュースが今川の目に止まった
無残に剥がれ落ちたコンクリート、鉄骨が剥き出しとなった橋脚
高度成長期、次々と建てられた鉄筋コンクリート製の建造物の多くが現在寿命を迎えようとしている
無残なコンクリートの姿に今川は思った…
「コンクリートよりもっと長寿命の素材を作りたい」
コンクリートの寿命は一般的に50年と云われている
その原因は雨が内部に染み込んで、中の鉄筋が錆び、崩落につながる
●鉄筋の要らない頑丈な新素材
鋳物の型枠は通常、酸化ケイ砂に炭酸ガスを注入し、化学反応により固めて形成される
鋳物を取り出す時、型枠を壊すのに硬い印象があった
硬くて壊れなかった型枠を新しい建築素材に…
そんな前例のない全く新しいアプローチに今川は挑むことにした
自らが教授を務める東京電機大学の学生と共に開発がスタート
鋳物の型に使われる酸化ケイ砂に水ガラス加えたもの
これを実験用の型枠に詰め、そこに炭酸ガスを20秒間注入
化学反応が起きることでわずか10分後にはカチカチに固まる
通常のコンクリートの1/10以下の早さ
ところが建材としては強度が足らない
問題は砂と水ガラスの割合にあった
材料化学の専門家である京都大学の木村教授に協力を仰いだ
最も強度が高まる材料の割合を徹底的に分析してもらった
その結果、酸化ケイ砂9:水ガラス1という割合がベストであることを突き止めた
今川はこの結果を受けて再び強度実験に挑んだ
通常のコンクリートと比較する
コンクリートの圧縮強度は54.2kNに対し、今川の新素材は95kN
この実験の成果によって文部科学省より助成金の交付が内定
今川はこの新素材の名前を「CO2エコストラクチャー」と名付けた
新素材の実用化に向けた課題…それは揺れても絶対にヒビが入らないこと
今川は1/4スケールの住宅模型を使って振動実験を実施
まずは鉄筋コンクリートで作った同じ形状の建物で振動実験を行った
結果、阪神淡路大震災の80%の揺れをクリア
そして、CO2エコストラクチャーの建物は阪神淡路大震災の85%の揺れに耐えた
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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿情報: 職務経歴書の書き方 | 2012/11/30 15:19