爆報THEフライデーで紹介
●地上げ屋と闘った女優:馬淵晴子
1954年、日活にスカウトされ、高校3年生で芸能界デビュー
21歳でNHKの専属女優となり小林千登勢、冨士眞奈美と共にNHK3人娘として活躍
優しくも芯の強い母親役を数多く演じた
私生活では1960年に俳優:井上孝雄と結婚、2人の子宝に恵まれた
1969年、港区赤坂に1000万円で2DKのマンションを購入
しかしこのマンションを巡り、馬淵は壮絶な地上げ騒動に巻き込まれる
マンション購入から16年経った1985年夏、
ある日のこと、突然 見知らぬ男がマンションを訪ねてきた
「単身赴任で同じマンションに住んでいる者なんですが、
そろそろ家族を呼ぼうかと思いまして、それでこの部屋を売って頂けないかと」
家を売る気はなかった馬淵は男の要望を丁寧に断った
数日後、深夜 眠りにつこうとした時、突然の電話が
無言電話だった…この日を境に3ヵ月間 無言電話の被害が続いた
そんなある日、マンションの住人から、地上げ屋の標的になっている事を聞く
無言電話は馬淵の家以外にも繰り返しかけられ、既に8軒が家を手放した
地上げ屋の目的は部屋を買収しマンションを取り壊して更地にして土地をより高く転売すること
当時の法律ではマンション住民の4/5以上の賛成で取り壊すことが出来る
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嫌がらせが始まって半年
地上げ屋に対抗するため、住民は「生活と権利と自治を守る会」を結成
馬淵は周囲に推されて会の代表に
深夜の無言電話が脅迫電話に
淡々とした話し方に同じセリフを繰り返す
脅迫電話として被害証拠にならない巧妙な嫌がらせ
さらに住民が出ていき無人のはずの隣の部屋から深夜に鳴り響く大音量の音楽
嫌がらせに対し。馬淵は防犯カメラを設置
すると夜な夜なマンションに出入りする不審な人物を特定
馬淵は住民と共に不動産業者を相手に裁判を起こした
誰もが恐れた地上げ屋と一歩も引かずに闘い続ける女優
地上げ被害から1年、被害は離れて暮らす家族にも及んだ
当時、25歳だった次男:井上恵介さんにも脅迫電話が
そしてマンションの管理組合の乗っ取り
嫌がらせを受け引っ越していった部屋に地上げ屋の入居者が次々と現れ、
管理組合のメンバーが総入れ替え
管理組合が乗っ取られ法外な水道代を請求
さらに住民を追い出すために、停電で嫌がらせ
徹底抗戦を続ける馬淵の女優のイメージは崩れ、仕事が激減
地上げ屋との闘いに没頭してゆく中、夫とも別居
住民を鼓舞するために強気な姿勢を崩す事はなかった
1989年、買収額をつり上げ
購入価格1000万円のマンションに4倍の4000万円を提示
中には2億円を提示された住民も
不当な買い占めで精神的不安を受けたと訴えた裁判
裁判所は業者らの行いは不法行為とは言えないとして訴えは退けられた
敗訴から数か月後…バブル崩壊
資金繰りが滞り倒産する企業が続出
馬淵と争った会社も不動産事業から撤退
6年に及ぶ地上げ屋との闘いに終止符がうたれた
マンションを守り抜いた真淵は、2012年10月3日 静かにこの世を去った
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