現代、体内の免疫が過敏に反応するアレルギー症状が全世界で発症者が急増している
免疫の仕組みにエラーが起こり、本来 人に無害なモノを攻撃することで起こる
イギリス ノッティンガム大学:デヴィッド・プリチャード博士
彼は、そんなアレルギーに対し、大胆な仮説を立て驚くべき実験を行った
卵や幼虫の時は1/20mm程の大きさだが、人間の腸の中で1cm程に成長する寄生虫:鉤虫
現在、世界で約13億人が感染している可能性があり、アフリカや南米など開発途上地域の感染率は特に高い
衛生環境の整った先進国では現在 ほとんど確認されていない
鉤虫感染率が高い地域では、花粉症や喘息などアレルギー症状が確認できないと多くの学者が報告している
●プリチャード博士がたてたアレルギーの原因の仮説
何百年もの間、人と共存してきた寄生虫、しかし社会が清潔になっていく中で それは駆除されていった
するとそれまで寄生虫に対して働いていた体内の免疫は敵を失ってしまう
そこで寄生虫に代わる新たな敵として本来 人には無害な花粉や食べ物などを攻撃、過剰に反応している
それがアレルギーの原因ではないか?
寄生虫を体内に入れ、免疫に本来の敵を与えればアレルギー反応は治まるはず
それを実験するため博士は鉤虫の感染実験を行った
●寄生虫を薬にするプロジェクト
まずは寄生虫に感染していない人の体が何匹の鉤虫に耐えられるのか?を博士と仲間の研究者たちが体を張って確認
10匹、25匹、50匹、100匹と鉤虫の幼虫を入れた液体を用意
それをガーゼに染み込ませて皮膚に接触させる
すると鉤虫が肌を食い破り体内に侵入する
自然の状態では裸足で歩いている人の皮膚から入り込み、
血流にのって心臓から肺へと運ばれ喉に移動、そこから消化菅に入って腸に定着する
事前実験では寄生虫10匹以下であれば体調に変化はなかった
そこでいよいよ一般の花粉症と喘息の患者 合計31人を鉤虫10匹に感染させた
しかし花粉症と喘息にはっきりとした改善はみられなかった
現在、アレルギーを改善する寄生虫は闇で取引されている
その効果は個人差があり一時的に改善されたが元に戻ったり、全く効果がなかったり、
寄生虫の副作用が強かったり弱かったりと今後の研究成果次第
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