深イイ話で紹介
伝説の料理人
●フレンチの鉄人:坂井宏行の厨房は絨毯張り
1990年代、一世を風靡したテレビ番組「料理の鉄人」
坂井はフレンチの達人として多くの挑戦者たちと熾烈な料理バトルを繰り広げ伝説を残した
最終回、世界最強シェフ決定戦ではフランスの三ツ星天才シェフ:アラン・パッサールと対決
坂井は見事勝利し、世界最強の鉄人の称号を手にした
そんな坂井が一流シェフとして認められたターニングポイントがある
1971年、当時坂井は29歳
フレンチではなく高級鉄板料理屋で働いていた
そんな坂井に金谷鮮治が声をかけた
「新規オープンするフレンチレストランで総料理長を探しているんだ。一度君と話をしてみたい」
老舗リゾートホテル日光金谷ホテルで有名な金谷一族の一人で、美食家としても名高いセレブ
後日、坂井は金谷に食事に誘われる、それは面接だった
「坂井君、フレンチの経験はどれくらいあるの?」
当時、高級鉄板料理屋で働いていた坂井はフレンチレストランでの経験は3年ほどしかない
金谷は「是非、坂井君に総料理長をやって欲しい」
その理由は「図々しいからだよ」
実は坂井、この食事の席で料理の美味しさに居ても立ってもいられず、
「すみません、厨房を見せてください」
金谷との話もそこそこに厨房に押し掛けた
さらに仕事中の料理人に質問攻め
型にはまらない坂井の行動を見て、金谷は新しいフレンチを作ってくれるシェフだと確信
坂井を総料理長に決めた
それから2人は新しいフランス料理を生み出し革命を起こす
坂井は懐石料理を学び、フランス料理とコラボレーション
例えば和食の技法、飾り包丁を使った盛り付けをしてみたり、日本の大根とフランスのフォアグラを組み合わせるなど、フランス料理の常識を覆した
こうして生まれた料理は懐石フレンチと呼ばれ、坂井の代名詞となった
坂井の店:ラ・ロシェル山王店(千代田区永田町)の厨房は他のレストランとは明らかに違う
それは厨房に床が絨毯
広さおよそ70㎡の厨房一面に絨毯が敷かれている
通常、レストランの厨房はコンクリート
床に落ちてしまった食材などを水で流せるように出来ている
しかし、坂井の店の厨房は汚れが目立つ絨毯なので食材が飛ばないように慎重に調理
洗い物も水がはねないように注意する
絨毯にしたことで作業が丁寧になった
坂井いわく、絨毯を汚さない繊細な心配りが良い料理につながると云う
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