夢の扉+で紹介
世界で初めて貝の言葉の解読に成功
貝と会話をすることで赤潮をはじめ、海の異変に立ち向かう
ミキモト真珠研究所:永井清仁
三重県志摩市の英虞湾は日本を代表する真珠の養殖地
そこに浮かんでいるのが貝の言葉を伝える「貝リンガル」
水中に吊り下がっているのが真珠を育ているアコヤ貝
赤潮や酸素濃度の低下など海の異変を「タスケテー!!」と貝がいち早く伝えてくれる仕組み
1992年、英虞湾で突然、アコヤ貝の大量死が発生した
英虞湾だけで推定30億円の損害
養殖業所に大打撃を与えた
その後、奇妙な赤潮が発見
それは海水が赤くならない謎の赤潮
赤潮プランクトンは直接貝を殺すことはない、が常識だった
永井は来る日も来る日も謎の赤潮を研究
2ヵ月が過ぎたころ、見慣れないプランクトンの存在に気付く
新種のプランクトン「ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ」
それは直接貝だけを殺す、特性をもつ
海に自然発生するヘテロカプサから貝をどう守ればいいのか?
赤潮を調べるには海を調べるのではなく、貝に聞けばいい
貝の声を聞く挑戦のパートナーとなったのが九州大学:本城凡夫
赤潮研究の権威だった本城に相談しながら開発を進めていった
アコヤ貝は通常殻を開けており、閉じる階数は1時間に1~2回
ところがヘテロカプサを与えるとヘテロカプサを体内に入れないようにするため殻を閉じる階数が1時間で20回以上になった
この開閉運動こそが苦しんでいる貝の声を聞くための希望の光だった
そして協力関係にあった測定器メーカーの提案を受ける
仕組みは殻の片面にはセンサーもう一方の面には磁石
センサーが磁場の変化を電気信号に変換することでわずかな開閉運動も24時間把握できる
海に異変が起き、開閉運動に異常が起きると貝の苦しい気持ちをメールで知らせる
センサーがついた貝のうち1個に異常が出た場合は「クルシイヨー」
複数の場合は「タスケテー!!」のメールが届く
そこには貝の場所と水深の情報も
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