アカルイ★ミライで紹介
●日本で最初に振り込め詐欺を始めた男
電話口で家族を装い現金を振り込ませる振り込め詐欺
その被害は平成24年4月の時点で1770件、約35億9277万円
「悪魔のささやき「オレオレ、オレ」著:藤野明男
振り込め詐欺を最初に始めた張本人
逮捕され3年の刑に服した藤野
●振り込め詐欺の誕生のきっかけ
2003年春、当時20歳だった藤野は遊ぶ金欲しさに闇金で働き始めた
2ヵ月が経ったある日、仲の良い同僚が何気なくやってみたことが藤野達の人生を狂わせていく
「もしもし、おばあちゃん、俺だけど…」
同僚が初めに遊びで電話したことによって始まった
“面白半分でウソをついたみたいで…”
「今のおばあちゃん、お金を振り込むってよ。40万円」
「孫って言って電話して交通事故起こしたから金振り込んでって…」
その翌日
「40万入ってたよ!」
この時、同僚が見ていたのは借金取り立てのための負債者リスト
負債者だけでなくその家族や親せきの連絡先も記載されていた
そのリストからある祖母へ遊び半分でかけた電話が40万円を生んだ
さらにその翌日には同じ手口により合計150万円の振り込みがあった
当時、藤野がやっていた闇金融のシステムは営業から貸付、取立すべてをこなして月給25万円
一方、同僚が始めた振り込め詐欺は1日で闇金融の月給の何倍もの大金が手に入る
気が付けば事務所にいた全員が孫や子供になりすまして電話をかけた
日本初の振り込め詐欺集団が誕生してしまった
その後、犯行は各地で同時多発的に拡大
2008年には275億円もの被害を出した
スポンサーリンク
出勤は午前9時厳守
午前中、家にいるお年寄りや主婦を狙い、その日のうちに振り込むよう仕向ける
主な手口は、交通事故の示談金、通信販売の急な支払、妊娠の中絶費用など
1回に振り込ませる金額は30万~50万円
勝負は午後3時まで
午前中に2度目の電話をする
そこで留守なら振り込みに出かけている証拠
電話に出たら振り込むよう催促する
相手に考える時間を与えず、その日のうちに振り込みを完了させる
振り込ませるのは架空口座
その口座から現金を引き出すのは出し子と呼ばれる男
長崎県の出し子が現金を引き出し、東京の私書箱に郵送させる
この分業システムの確立により藤野達は詐欺の電話に専念でき稼ぎも右肩上がりに伸びた
ピーク時の1日の稼ぎは700万円
事務所でとる昼食はハンバーガーから特上寿司になった
20歳で年収3000万円
しかし長く続くはずもなく…
2004年初冬、長崎で頻繁に現金を下ろしていた出し子が逮捕され、その携帯電話の通話記録から逮捕
裁判の結果、懲役3年の実刑が下った
求刑6年の半分になった理由は藤野の父親が借金をして被害者に返済し示談を終えていたから
2007年3月、仮釈放
現在は実家の電気工事店を手伝いながら示談金の借金返済の日々
2008年、振り込め詐欺救済法を施行
●振り込め詐欺には留守番電話が効果的
在宅時も留守番電話にしておき、声が身内か確認できるまで電話に出ない事
スポンサーリンク