夢の扉+で紹介
風を集めるレンズ風車
その発電量は従来型発電の3倍
開発者は九州大学 教授:大屋裕二
原発並の電力をつくる海に浮かぶ発電所を目指し、世界初の実証実験に挑む
その風車はレンズが光を集めるように風を集める事からレンズ風車と名付けられた
秘密は羽根を囲むリング
リングを取り付けると羽根の回転数が上昇する
リングのない羽根の回転数のおよそ3倍
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開発のきっかけは12年前
当時、エコロジーや地球温暖化の声を追い風に各地で回り始めた風車
しかし羽根が回る時の音が問題となった
より多くの電力を得ようと羽根を大きくすると騒音も大きくなり、設置場所が限られ風力発電の普及を阻んだ
大屋をはじめとする九州大学の研究者が集まり解決策を模索した
風車の羽根を大きくせずに効率よく発電できないか?
大屋はふと思った「この紙コップで風を集められないか」
風車のまわりに紙コップのような筒をつければ、風が集まると考えた
ところがその方法では思うように風が集まらない
どうすればよいのか、大屋の頭に一つのキーワードが浮かぶ「低気圧」
人工的に気圧の低いところを作れば風が集まる
その鍵を握るのが熱帯低気圧:台風でおなじみの現象
風車のまわりに台風のような渦を作る
筒の入り口をせまくすると後ろに渦ができて気圧が低くなる
すると低気圧に向かって風の流れが強まり、風車の回転が早くなった
大屋はコストを下げようと包み自覚しながらも効率よく発電する今の形にたどり着いた
リングが付いたことで風切り音もほとんど出ない
風力発電が抱えていた問題を克服した夢の風車
日本を取り囲む海からの風を利用する
その風は障害物に遮られることもなく安定して吹くため、風力発電に打ってつけ
ヨーロッパで広く採用されているのが着床式
海底に支柱を埋め込むこの方式は水深50mが限界
遠浅の海が少ない日本には向かない
大屋が考えたのは風車を海に浮かべる事だった
原発1基分に匹敵する電力を生む巨大な風力発電所を海の上につくりあげる
博多湾に設置された2基のレンズ風車は風を集め、力強く回り始めた
今後、潮の流れや波の力も発電に利用、太陽光パネルも備えたマルチな自然エネルギー基地を目指すという
将来、直径90mの巨大風車、浮体を70個連結し小型の原発に匹敵する海上発電所を作る構想も進んでいる
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